Debian を初めてインストールする場合、いくつかの作業段階を経てインストール をします。それは以下の順序になります。
最初の作業段階である Debian インストーラのブートは、通常 Rescue Floppy か CD-ROM から行います。 お使いのハードウェアによっては、最初のブートが最も困難な場合もあります。 そのためそれについては インストーラのブート, 章 6 にて説明します。
一旦 Linux をブートしたら、dbootstrap
プログラムが起動し、
第 2 段階であるシステムの初期設定を行います。この作業段階については dbootstrap
によるシステムの初期設定, 章 7 で詳細に説明します。
「Debian 基本システム」は、Debian がスタンドアローンで動作するのに最低限
必要な、核となる一連のパッケージです。
初期設定を行って、一旦基本システムをインストールすれば、そのマシンは他に
依存せずそれ自身で動作できるようになります。
Debian 基本システムは、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、
NFS サーバなどのメディアからインストールできます。
dbootstrap
がこのインストールを実行します。こちらに関しては、
``Install the Base System'', Section 7.13 で説明します。
インストールの最終段階は、残りの Debian システムをインストールすることです。
こちらには、X Window System、エディター、シェル、開発環境など、
実際にお使いになるアプリケーションやドキュメントが含まれます。
残りの Debian システムは、CD-ROM や Debian アーカイブのあらゆるミラーから
(インターネットやそれ以外から、また HTTP や、FTP、NFS 経由で) インストール
することができます。
現時点では、dselect
もしくは apt-get
といった標準的な Debian パッケージ管理ツールを使うことになるでしょう。
この作業段階については システムの残りの部分をインストールする, Section 7.23 で説明します。
インストールのある作業段階で利用するメディアと、 他の作業段階で利用するメディアが同じものである必要のない ことは心に留めておいてください。 つまり、Rescue Floppy からブートし、NFS から基本システムをインストールし、 システムの残りを CD-ROM からインストールすることもできるのです。 システムをアーカイブからダウンロードするならば、普通フロッピーから 基本システムをインストールし、インターネット経由で完全な Debian システムをインストールするでしょう。
インストールの最初の三つの作業段階で必要になるインストールシステムは、 ``Rescue Floppy''、 ``Drivers Floppy''、 ``Base System'' の三つの部分に分かれています。 以下ではさまざまなインストール方法と、インストールに必要となるファイルに ついて説明します。 どのファイルを用いるのか、またどの段階でインストールに用いるメディアを 用意する必要があるのかは、Debian のインストールの際にお選びになる 方法によって異なります。
まず最初に、インストーラのブートに用いるメディアを、 その次に基本システムのインストールに用いる方法を選択してください。
インストーラをブートする方法には、フロッピー、 ブート可能な CD-ROM、 ネットワークブート (TFTP)、 もしくは、Linux 以外で用いられるブートローダーがあります。
フロッピーからのブートはほとんどのプラットフォームでサポートされています。 ただ、残念ながら Amiga と Mac は例外になります。 フロッピーによるブートについてはフロッピーからのブート, Section 5.7に説明があります。 なお、ほとんどの m68k アーキテクチャでは、 ローカルファイルシステムからブートする方法をお勧めします。
CD-ROM からのブートは、最も簡単なインストール方法の一つです。 BVME4000/6000 VMEbus システムでは、インストールの際 CD-ROM からのブートを用いるのが、最も容易な方法の一つです。 ただ、運悪く CD-ROM 上のカーネルがうまく動作しなかったら、 他の方法に戻ってください。 CD-ROM からのインストールは CD-ROM からのインストール, Section 5.4 で説明します。
ネットワークからブートするためには、TFTP サーバおよび RARP サーバ 、 ブートフロッピーによってサポートされるネットワークコネクションが必要です。 このインストール方法については TFTP からのブート, Section 5.5 で説明します。
既存のオペレーティングシステムからブートすることが、適切な選択であることも よくあります。というのは、あるシステムではこちらがインストールの唯一の方法 であるからです。この方法についてはハードディスクからのインストール, Section 5.3で説明します。
基本システムは、フロッピー (フロッピーからの基本システムのインストール, Section 5.8)、 CD-ROM (CD-ROM からのインストール, Section 5.4)、NFS サーバ (NFS からのインストール, Section 5.6)、 ローカルハードディスク (ハードディスクからのインストール, Section 5.3) のいずれかからインストール することができます。 お持ちのメディアの中から、最も都合のよいものを選択してください。
この節では、disks-m68k
ディレクトリにあるファイルの
一覧を簡単な説明を付して紹介します。
これらすべてをダウンロードする必要はないでしょう。このことはブートおよび
基本システムのメディアに、何をお選びになるかによってまったく異なってきます。
ほとんどのファイルはフロッピーディスクのイメージです。これらは必要な フロッピーディスクを作成するためにディスクに書き込まれる、 単一のファイルとなっています。 これらのイメージは、明らかに 1.4MB や 1.2MB、720KB といった書き込み先の フロッピーの容量によって異なってきます。どの容量のものが利用できるかは、 お使いのプラットフォームによって左右されます。 (例えば 720KB ドライブは Atari 固有のものです。) それぞれのファイル名に、1.4MB ドライブ用のイメージでは ``14'' という数字 が、1.2MB ドライブ用のイメージでは ``12'' という数字が、そして、720KB 用のイメージでは ``72'' という数字が埋め込まれています。
もしこの文書をネットワークに接続されたコンピュータ上のウェブブラウザで
ご覧になっているなら、ブラウザ上でファイル名を選択することで各ファイルを
取り寄せることができるでしょう。
お使いになっているブラウザにもよりますが、
バイナリモードでそのまま直接ファイルにダウンロードするためには、
特別な操作が必要かもしれません。
例えばネットスケープナビゲータでファイルを取り寄せるためには、
シフトキーを押したままそのリンクをクリックする必要があります。
この文書に記載されている URL から各ファイルをダウンロード
することができますが、それらを ftp://ftp.debian.org/debian/dists/slink/main/disks-m68k/current/
や、
Debian ミラーサイト
の対応するディレクトリから取り寄せることも可能です。
amiga/resc1440.bin
、 atari/resc1440.bin
、 atari/resc720.bin
、 mac/resc1440.bin
、 bvme6000/resc1440.bin
、 mvme162/resc1440.bin
、 mvme167/resc1440.bin
-- Rescue Floppy のイメージ
Atari 上の低密度ドライブをお持ちの場合は、
atari/resc720.bin
をご覧ください。
amiga/drv1440.bin
、 atari/drv1440.bin
、 atari/drv720.bin
、 mac/drv1440.bin
、 bvme6000/drv1440.bin
、 mvme162/drv1440.bin
、 mvme167/drv1440.bin
-- Drivers Floppy のイメージもし特別な Rescue Floppy イメージをお使いになる場合は、 それに対応した Drivers Floppy を使う必要があります。
common/base2_1.tgz
(こちらをご利用を推奨します) か、 common/base14-1.bin
, common/base14-2.bin
, common/base14-3.bin
, common/base14-4.bin
, common/base14-5.bin
, common/base14-6.bin
、 あるいは common/base72-1.bin
, common/base72-2.bin
, common/base72-3.bin
, common/base72-4.bin
, common/base72-5.bin
, common/base72-6.bin
, common/base72-7.bin
, common/base72-8.bin
, common/base72-9.bin
-- 基本システムcommon/base2_1.tgz
ファイルが利用できます。
amiga/amigainstall.lha
(Amiga) か、atari/install.lzh
(Atari)、あるいは mac/Install.sit.hqx
(Mac) -- オペレーティングシステムインストーラ
amiga/rootamiga.bin
、atari/root.bin
、 mac/root.bin
、 bvme6000/root.bin
、 mvme162/root.bin
、 mvme167/root.bin
-- ルートイメージ
bvme6000/tftplilo.bvme
、 bvme6000/tftplilo.conf
、 mvme162/tftplilo.mvme
、 mvme162/tftplilo.conf
、 mvme167/tftplilo.mvme
、 mvme167/tftplilo.conf
-- TFTP ブートイメージ および設定ファイルroot.bin
ルートファイルシステムが収録されています。
VME の TFTP サポートは、Linux
ローダプログラムおよび設定ファイルから構成されています。
install.txt
、 install.html
-- インストールマニュアル
amiga/install.txt
、 atari/install.txt
、 mac/install.txt
、 bvme6000/install.txt
、 mvme162/install.txt
、 mvme167/install.txt
-- インストールガイド
atari-fdisk.txt
amiga-fdisk.txt
mac-fdisk.txt
pmac-fdisk.txt
basecont.txt
md5sum.txt
md5sum
プログラムをお持ちであれば、
md5sum -v -c md5sum.txt を実行することで、
お手持ちのファイルが改竄されていないか確認することができます。
場合によっては、既存のオペレーティングシステムからブートなさりたい かもしれません。基本システムをディスクからインストールする場合でも、 インストールシステムを他の方法を用いてブートすることは可能です。
既存の AmigaOS setup から Debian をインストールするには以下の手順に したがってください。
amiga/amigainstall.lha
と common/base2_1.tgz
のファイルを入手します。
amigainstall.lha
を展開します。
それをメインディレクトリで展開することをお勧めします。
debian
ディレクトリがあるはずです。
common/base2_1.tgz
を同じ debian
ディレクトリに移動します。
このディレクトリにあるいずれのファイルもリネームしてはいけません。
debian
ディレクトリの場所を覚えておくために、
その Linux パーティションの名前を書き留めておいてください。
Linux のパーティションの名付け方に関するより詳細な情報については Linux におけるデバイス名, Section 4.3 をご覧ください。
Workbench
上で、debian
ディレクトリにある
``StartInstall'' アイコンをダブルクリックして、Linux
のインストールプロセスを開始します。
Amiga インストールプログラムがウィンドウになんらかのデバッグ情報を出力したら、
Return キーを二度押す必要があるでしょう。
この後画面が灰色になり、数秒後黒い画面に白い文字が現れて、カーネルのすべて
のデバック情報を表示します。
これらのメッセージはスクロールが速すぎて読むことができないでしょうが、
それで問題ありません。
数秒後、インストールプログラムが自動的に始まりますので、
dbootstrap
によるシステムの初期設定, 章 7 以降の作業を続けてください。
一方、ブートに問題が生じた場合は ブートプロセスに関するトラブルシューティング, Section 6.5 をご覧ください。
以下の手順にしたがって、既存の Atari TOS 設定メニューから Debian をインストールしてください。
atari/install.lzh
および common/base2_1.tgz
の各ファイルを入手してください。
install.lzh
を展開してください。
``main'' ディレクトリに展開することをお勧めします。
debian
ディレクトリがあるはずです。
common/base2_1.tgz
を同じ debian
ディレクトリに移動してください。
そのディレクトリ上のいずれのファイルもその名前を変更しないでください。
debian
ディレクトリのある
Linux のパーティション名を書き留めておいてください。
Linux パーティションの命名法に関する詳細な情報については、
Linux におけるデバイス名, Section 4.3 をご覧ください。
debian
ディレクトリにある
``bootstra.ttp'' アイコンをダブルクリックし、
次にそのプログラムのダイアログボックスで ``Ok'' をクリックして、
Linux インストールプロセスを起動してください。
Atari bootstrap がウインドウにデバッグ情報を出力した後、
Return キーを押す必要があるかもしれません。
この後画面が灰色になり、数秒待たされます。
次に、画面が黒い背景に白い文字が表示されるものに変わり、
カーネルのデバッグ情報のすべてが表示されます。
これらのメッセージのスクロールは速すぎて読めないかもしれませんが、
問題ありません。
数秒後インストーラが自動的に起動され、
dbootstrap
によるシステムの初期設定, 章 7 以降の作業が行なえるようになります。
一方、ブートに問題があった場合には、 ブートプロセスに関するトラブルシューティング, Section 6.5 をご覧ください。
以下の手順にしたがって、既存の MacOS 設定メニューから Debian をインストールしてください。
mac/Install.sit.hqx
および common/base2_1.tgz
.
の各ファイルを入手してください。
Install.sit.hqx
を展開してください。
十分な空き領域のあるボリュームのトップレベル
ディレクトリに展開することをお勧めします。
debian
ディレクトリがあるはずです。
common/base2_1.tgz
を同じ debian
ディレクトリに移動してください。
そのディレクトリ上のいずれのファイルもその名前を変更しないでください。
debian
ディレクトリのある
Linux のパーティション名を書き留めておいてください。
Linux パーティションの命名法に関する詳細な情報については、
Linux におけるデバイス名, Section 4.3 をご覧ください。
debian
ディレクトリにある
``Penguin Prefs'' アイコンをダブルクリックし、
Linux インストールプロセスを起動してください。
Linux ブート機構が動作し始めます。
次に ``File'' メニューの ``Boot Now'' 項目に移動してから、
右上の角にある対応するボタンをクリックし、
ファイル選択ダイアログで該当するファイルの位置を確認して、
debian
ディレクトリにある
カーネルと RAM ディスクイメージを選択してください。
その後は ``Settings'' ダイアログを閉じて設定を保存し、
``File'' メニューの ``Boot Now'' 項目を使って
bootstrap を起動してください。
Penguin booter
がウインドウにデバッグ情報を出力します。
この後画面が灰色になり、数秒待たされます。
次に、画面が黒い背景に白い文字が表示されるものに変わり、
カーネルのデバッグ情報のすべてが表示されます。
これらのメッセージのスクロールは速すぎて読めないかもしれませんが、
問題ありません。
数秒後インストーラが自動的に起動され、
dbootstrap
によるシステムの初期設定, 章 7 以降の作業が行なえるようになります。
一方、ブートに問題があった場合には、 ブートプロセスに関するトラブルシューティング, Section 6.5 をご覧ください。
ext2fs パーティション、あるいは Minix パーティションから Debian をインストールすることもできます。 こちらのインストール方法は、例えばすでにインストールされた Linux システムを Debian で完全に置き換える場合に適切です。
Debian のインストール元のパーティションと、インストール先のパーティションは、別にしなければならないことにご注意ください。
(すなわち、/、/usr、/lib
などそのすべてを別にしてください。)
既存の Linux パーティションからインストールする場合は、 以下の説明にしたがってください。
common/base2_1.tgz
もしブート可能な CD ドライブをお持ちで、お使いのアーキテクチャやシステムが CD-ROM からのブートをサポートしているなら、フロッピーはまったく必要ありません。 今のところ、CD-ROM によるブートをサポートしている Motorola 680x0 サブアーキテクチャは BVME6000 のみです。 こちらをお使いの場合は、 CD-ROM をドライブに入れてリブートしてください。 そうしたら、以下の節はとばして、インストーラのブート, 章 6 をご覧ください。
CD-ROMからブートできない場合でも、Debian の基本システムを CD-ROM からインストールすることは可能です。 単に他のインストール方法の一つを用いてブートしてください。 つまり、基本システムや追加パッケージをインストールするときに、 ``Install the Base System'', Section 7.13 の説明にしたがって、CD-ROM ドライブをインストールシステムとして選択すればよいのです。
RARP サーバと TFTP サーバの二つのサーバを設定する必要があります。 逆アドレス解決プロトコル Reverse Address Resolution Protocol (RARP) は、ご自分のクライアントに、それ自身が利用する IP アドレスを通知する方法の一つです。 こちらに関しては、他に BOOTP プロトコルを用いる方法もあります。 また VMEbus システムならばさらに、 手動でブート ROM の IP アドレスを設定するという方法もあります。 簡易ファイル転送プロトコル Trivial File Transfer Protocol (TFTP) は、ブートイメージをクライアントに提供するために用いられます。 理論的には、これらのプロトコルが用意されていれば、 どんなプラットフォームのいかなるサーバでも利用できます。 この節の例では、SunOS 4.x、SunOS 5.x (別名 Solaris) と GNU/Linux 用のコマンドを紹介します。
RARP を設定するためには、クライアントのイーサネットアドレス (別名 MAC アドレス) を知っておく必要があります。 それに関する情報をご存知ない場合は、 「レスキュー」モードを (つまり Rescue Floppy から) ブートして、 /sbin/ifconfig eth0 というコマンドを使ってください。
GNU/Linux では、カーネルの RARP テーブルを用意する必要があります。 そのためには、以下のコマンドを用いてください。
/sbin/rarp -s クライアントのホスト名 クライアントのイーサネットアドレス /sbin/arp -s クライアントの IP アドレス クライアントのイーサネットアドレス
SunOS 上では、クライアントのイーサネットハードウェアアドレスを
``hosts'' データベースと、
(/etc/ethers
ファイルか NIS/NIS+ 経由で)
``ethers'' データベースに記載する必要があります。
次に RARP デーモンを起動する必要があります。
(ルートアカウントで)
SunOS 4 では /usr/etc/rarpd -a というコマンドを、
SunOS 5 では /usr/sbin/rarpd -a というコマンドを発行してください。
TFTP サーバを用意するためには、
最初に tftpd
が動作するようになっているかを確認してください。
普通 /etc/inetd.conf
に以下の行を付け加えれば、
tftpd
が動作するように設定できます。
tftp dgram udp wait root /usr/etc/in.tftpd in.tftpd -l /boot
このファイルをご覧になって、in.tftpd
の引数として使われているディレクトリを覚えておいてください。
後で必要になります。
in.tftpd
のバージョンによっては、
-l オプションを用いることで、
システムログにすべてのリクエストを記録することができます。
こちらはブートエラーを診断するのに有益です。
もし /etc/inetd.conf
に変更が必要だったならば、
このファイルに変更があったことを、
実行中の inetd
のプロセスに伝える必要があります。
Debian マシンなら、/etc/init.d/netbase reload を実行し、
また他のマシンでは、inetd
のプロセス ID を探して、
kill -1 inetd のプロセス ID を実行してください。
次に、必要な TFTP ブートイメージ tftpboot.img
を
システムファイルインストールの解説, Section 5.2 で探し、それを
tftpd
ブートイメージディレクトリに置いてください。
一般的にこのディレクトリは、Debian では /boot
に、
他のオペレーティングシステムでは /tftpboot
になります。
そうしたら、このファイルから、
tftpd
が特定のクライアントのブートに用いる
ファイルにリンクを張らなければなりません。
残念ながら、そのファイル名のつけられ方に明確な標準というものはなく、
それは、TFTP クライアントによって異なってきます。
ただたいてい、TFTP クライアントが探すファイルは、
クライアントの IP アドレス (16 進数)-クライアントのアーキテクチャ
となります。
クライアントの IP アドレス (16 進数)
を算定するには、クライアントの IP アドレスの各バイトを取り出し、
それを 16 進数に変換してください。
お手元のマシンに bc
プログラムがあれば、
このプログラムを使うこともできます。
この場合、最初に出力に 16 進数を使うよう設定するために obase=16
を発行して、それからクライアントの IP アドレスの各要素を一つずつ入力します。
クライアントのアーキテクチャに関しては、
いくつかの値を試してみてください。
一旦その名前が限定できたら、
ln /boot/tftpboot.img /boot/ファイルネーム
のようにして、リンクを張ってください。
VM および Motorola VMEbus システムは、 以下の一覧にしたがってファイルを検索します。
bvme6000/linux
を
/boot/linuxbvme6000
にコピーします。
bvme6000/root.bin
を
/boot/rootbvme.bin
にコピーします。
bvme6000/tftplilo.bvme
を
/boot/tftplilo.bvme
にコピーします。
bvme6000/tftplilo.conf
を
/boot/tftplilo.conf
にコピーします。
mvme162/linux
を
/boot/linuxmvme162
にコピーします。
mvme162/root.bin
を
/boot/rootmvme.bin
にコピーします。
mvme162/tftplilo.mvme
を
/boot/tftplilo.mvme
にコピーします。
mvme162/tftplilo.conf
を
/boot/tftplilo.conf
にコピーします。
mvme167/linux
を
/boot/linuxmvme167
にコピーします。
mvme167/root.bin
を
/boot/rootmvme.bin
にコピーします。
mvme167/tftplilo.mvme
を
/boot/tftplilo.mvme
にコピーします。
mvme167/tftplilo.conf
を
/boot/tftplilo.conf
にコピーします。
次に、TFTP サーバから tftplilo.bvme
か
tftplilo.mvme
を最初にロードするように、
お使いになるブート ROM あるいは BOOTP サーバを設定してください。
なお、お使いになるサブアーキテクチャのシステムに依存する設定情報に関しては、
tftplilo.txt ファイルを参照してください。
さあ、実際にお使いのシステムをブートする準備をしてください。 VMEbus システムをブートすると、LILO Boot: プロンプトが表示されます。 この `LILO Boot:' プロンプトでは、Linux をブートし、 vt102 端末エミュレーションを用いて Debian ソフトウェアの 適切なインストールを開始するために、 以下のいずれかを入力してください。
vt100 端末エミュレーションを利用するために ``TERM=vt100'' という文字列を ``i6000 TERM=vt100 Return'' のように追加することも可能です。
NFS 経由でインストールできるのは、その性質上基本システムだけです。
すでに説明した方法のいずれかを用いて、手元で利用できる
Rescue Floppy と Drivers Floppy を用意しておく必要があるでしょう。
NFS 経由で基本システムをインストールするためには、dbootstrap
によるシステムの初期設定, 章 7での説明の通りに標準的なインストール手順を踏まなければな
りません。忘れずに、お使いのイーサネットカード用のモジュール (ドライバ) と、
NFS 用のファイルシステムのモジュールをロードしてください。
dbootstrap
に、
どこに基本システムが置かれているかを尋ねられた時には (``Install the Base System'', Section 7.13)、NFS を選択しその指示にしたがってください。
フロッピーからのブート方法は簡単です。 Rescue Floppy のイメージと Drivers Floppy のイメージを 単純にダウンロードしてください。そして、 ディスクイメージからフロッピーを作成する, Section 5.9 の説明にしたがってそれらをフロッピーに書き込みます。 必要があれば Rescue Floppy を修正することもできます。 Rescue Floppy のカーネルの交換, Section 9.3 をご覧ください。
現時点で Rescue Floppy からのブートがサポートされているのは、 Atari と VME (VME 上の SCSI フロッピードライブが装備されたもの) のみです。DiskCopy フォーマットイメージとして提供される HFS フロッピーイメージからブートが可能です。 こちらは、Rescue Floppy を含む生の形式のディスクイメージです。
注意: フロッピーが一般的に最も信頼性の低い種類のメディアであることから、 こちらは Debian をインストールする方法としては推奨できません。 こちらの方法が推奨されるのは、お使いになるシステムのハードディスクのいずれ にも、余分な既存のファイルシステムがない場合だけです。 Amiga および Macintosh のシステムでは、 フロッピーによる基本システムのインストールはサポートされていません。
以下の手順にしたがってください。
base14-1.bin
、 base14-2.bin
、など)
ディスクイメージは、フロッピーディスクの完全な内容をそのままの
形式で含んだファイルです。
resc1440.bin
のようなディスクイメージは、フロッピーディスクに
単純にコピーすることはできません。
イメージファイルをフロッピーディスクにそのままの形式で
書き込むために、特別なプログラムを用います。
このようなことが必要になるのは、これらのイメージがディスクの内容をそのまま
記録してあるためです。つまり、ファイルからフロッピーへデータの
セクタコピーが必要になるのです。
お使いのプラットフォームによって、ディスクイメージからフロッピーを作成する 方法は異なってきます。 この節では、異なるプラットフォームでどのようにディスクイメージから フロッピーを作成するかを説明します。
フロッピーをどの方法で作成したとしても、不注意でそれらを壊さないために、 一旦イメージを書き込んだら、忘れずにフロッピーの爪を動かして 書き込み禁止にしてください。
フロッピーディスクイメージをフロッピーディスクに書き込むためには、おそらく システムのルート特権が必要になるでしょう。 適切な空のフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入したら、 次に以下のコマンドを使ってください。
dd if=ファイル名 of=/dev/fd0 bs=512 conv=sync ; sync
ファイル名のところには、
フロッピーディスクイメージの一つを当てはめます。
また、/dev/fd0
はフロッピーディスク装置によく使われている名前
です。(こちらは Solaris 上では /dev/fd/0
になります。)
Unix が フロッピーディスクへの書き込みを終える前に、このコマンドは
プロンプトを返すかもしれません。そのため、ドライブからフロッピーディスクを
取り出す前に、フロッピードライブのディスク使用中のランプをみて、
それが消えていること、ディスクの回転が止まっていることを確認してください。
システムによっては、ドライブからフロッピーディスクを取り出すために、
なにかコマンドを実行させなければならないかもしれません。
(Solaris 上では eject
を使ってくさい。
こちらについてはマニュアルページをご覧ください。)
またあるシステムは、フロッピーディスクをドライブに挿入すると、それを自動的
にマウントしようと試みます。
そのようなワークステーションで、イメージをそのままの形式で
フロッピーディスクに書き込むためには、
この機能を無効にしなければならないかもしれません。
残念ながら、その設定をどのようにするかはお使いになっている
オペレーティングシステムによって異なってきます。
Solaris 上では、vold
が実行されていないことを確認してください。
その他のシステムに関しては、ご自身のシステム管理者にお尋ねください。
フロッピーディスクイメージのあるディレクトリに、
atari/rawwrite.ttp
プログラムがあります。
そのアイコンをダブルクリックして、プログラムを起動し、
TOS プログラムコマンドラインのダイアログボックスで、
フロッピーに書き込みたいフロッピーイメージのファイル名を入力してください。
DiskCopy
(バージョン 4.2 以降) を使うことで、
Macintosh インストールファイルと同じディレクトリにある
mac/Debian-m68k-2.1-Mac.img
ファイルから
MacOS フロッピーが作成できます。
DiskCopy
を起動し、``Utilities'' メニューから
``Make a Floppy''の項目を選択してください。
次にファイル選択用のダイアログボックスから
ディスクイメージファイルを選択してください。
MacOS には、mac/resc1440.bin
や mac/drv1440.bin
のイメージを書き込むアプリケーションがありません。
(これらのフロッピーでインストーラをブートすることも、Macintosh
上からカーネルやモジュールをインストールすることもできないので、
このことは意味のないことです。)
しかし、これらのファイルは作業が進めば、オペレーティングシステムや
モジュールをインストールするのに必要になってきます。
Macintosh 上でファイルを転送するときは常に注意を払ってください。 .bin や .tgz といった拡張子のついたファイルは、 必ずバイナリモードで転送しなければなりません。
DOS や、Windows、OS/2 といったシステムのいずれかが動作する PC にアクセスできるならば、 -- 私たちはそれを決して認めたくはないのですが、実際に存在はします -- それらを使ってディスクイメージを書き込むことができます。
Debian アーカイブの i386 セクションには、
フロッピーディスクイメージと同じディレクトリに、
rawrite2.exe
プログラムがあります。
また同じ場所には、rawrite2
の説明書を含む
rawrite2.txt
ファイルもあります。
はじめて Debian をインストールする方々が抱える一番の問題は、 フロッピーディスクの信頼性のようです。
Rescue Floppy は Linux がブートする前にハードウェアによって直接読まれる ことから、最悪の問題点を抱えています。 ハードウェアは Linux のフロッピーディスクドライバほど信頼性のある読み込み をしないことが多く、誤ったデータを読み込んだときには、エラーメッセージも 表示せずに止まってしまうこともあります。 Drivers Floppy や基本システムフロッピーにも、これと同様に失敗する 可能性はあります。ただし、これらのほとんどはディスク I/O エラーに関する たくさんのメッセージを出して、読み込みが失敗したことを教えてくれます。
ある特定のフロッピーでインストールが失敗するならば、まず最初に フロッピーディスクのイメーをダウンロードし直して、 別のフロッピーに書き込んでみてください。 フロッピーの再フォーマットや書き込みの際にエラーがでなかったとしても、 古いフロッピーを単に再フォーマットするだけでは不十分でしょう。 場合によっては、異なるシステム上でフロッピーへの書き込みを行う方が よいかもしれません。
一つのフロッピーがうまく動作するまでに 3 回もイメージを書き直し、 3 枚目のフロッピーでようやくうまく動作したというユーザの報告もあります。
また、別のユーザは、同じフロッピーを同じフロッピードライブで用いても、 単に数回リブートすればブートに成功したとも報告しています。 これらはすべて、バグのはびこったハードウェアもしくはフロッピードライバの ファームウェアによるものです。